企画=KPOPファンがネトウヨおやじと戦うときの本

 私、キョートットを頑張ろうと思っています。その核には、おかしいと思っていることへの怒りと悲しみがある。差別や労働問題など、社会そして人々の意識はおかしいことだらけ。そして、韓国や在日韓国朝鮮人に対するヘイトは、おかしい、おかしい、おかしい。このヘイトな状況をなんとかしたいと思い、本の企画をいろいろ考えています——

 ネットや書籍で目に見えて差別的言説がばらまかれるようになってから20年以上がたつ。ネトウヨもすでに特別な存在ではなく、朝鮮・韓国への蔑視や差別意識、過去の日本への過剰な一体感、人権意識の欠如などは、多くの日本人がもつ心性になってしまっている。
 百田尚樹『今こそ韓国に謝ろう』(2017年発行)というヘイト本がある。植民地時代の朝鮮半島のことなどを書いたものですが、歴史湾曲どころでなく、韓国ヘイトそのもので、とてもまともな本ではない。それが2年後には文庫にもなり、駅のキオスクで平積みして売られてしまった。
 しかし、日本では比較的リベラルと思われる人でも歴史を知らないので、おそらく百田本にすぐに反論できず、多少は正しいことも書いてあるのだろうと思ってしまうのではないか。大日本帝国が朝鮮をはじめ植民地でどんなことをしたのか、アジア侵略戦争でどんなことをしたかといったことが、学校教育でまともに教えれていない。それらについて書かれた良い本やサイトもあるが、書店やウィキペディアや図書館でさえネトウヨに毒され、それらは片隅に追いやられている状況だ。
 そういった状況の矢面のひとつに長らく、KPOPが好きな10代女子が立たされてしまっているように思う。
 下手すると父親がネトウヨ。そんな音楽を聞くな、ドラマを見るな、ハングルを使うな、韓国や新大久保に行くな、など言われる。韓国文化が好きな自分の存在を否定されるような言い方もされるだろう。(そこには女性蔑視も入ってる)
 もちろん、リアルでもネットでもKPOP好きの友達がいたり、ファンのコミュニティーもあり、孤立はしないかもしれない。ただ、おかしい、違う、と思った時に言い返す知識がない。または、誤った言説に影響を受けてしまっている。例えば、「反日」という言葉を受容してしまい、私の推しのアイドルは反日ではない、といった、ネトウヨ言説に乗った反論になってしまう。
 そこで、KPOP好き10代に寄りそって力になる本を作りたい。自らの尊厳を守り生きたいように生きることに役立つ『ネトウヨおやじと戦うときの理論武装本』。わかりやすい構成と記述によって知識と知恵が得られ、手に取りやすいPOPな装丁の本を。(ネトウヨなんて聞きかじったことをオウムのように言ってるだけなので、言い返すのは簡単さ!)
 多くの方と一緒に本を作りたいです。嫌韓の親のためこんなに悩んでいるなど体験談を教えてください。
(おがわきょうへい:キョートット代表)