毎日あほうだんす寿町の日雇い哲学者 西川紀光の世界


ドヤ街の社会調査を続けるトム・ギルは、
20年前のある朝、寿町の労働センターの前で声をかけられる。その主、西川紀光と交流を深めるうち、だんたんとそのユニークな思想を知っていく。
聞き取りを元に構成する、
港湾労働に生き、本を愛する
天才西川紀光の
おもしろおかしな
人生と哲学!

トム・ギル著「毎日あほうだんす : 寿町の日雇い哲学者 西川紀光の世界」
売価1400円+税 変形A5版 160 p
ISBN978-4-9902637-4-4

2020年に増補改訂版を刊行しました。

タイトルについて

 「今日明日生きられるといい、それで精一杯。毎日あほうだんす、まったなし」と、紀光から聞いたとき、「確かに現代社会は阿呆の踊りみたいなものだね」と思った。
 後日、紀光に「あほうダンスではなく、アフォーダンスだ」と訂正された。ポストモダーン思想に弱い私には、初耳の言葉だった。
  ――トム・ギル
 

著者について

トム・ギル(Thomas Paramor Gill)
1960年英国生。ロンドン大学博士(社会人類学)。現在、明治学院大学国際学部教授。
20年にわたり横浜・寿町を中心に、日雇い労働者、ホームレスを調査してきた。著作・論文に Men of Uncertainty 「寄せ場の男たち:会社・結婚なしの生活者」「闘争空間としてのストリート」「日本の都市路上に散った男らしさ――ホームレス男性にとっての自立の意味」などがある。
また、福島県飯舘村の原発事故被災者調査を行い共著『東日本大震災の人類学』の中でまとめた。
 

推薦のことば

西川さんの直感していることは
ほとんど正しいです。
 ――中沢 新一 明治大学 野生の科学研究所所長
 
寿町で出会った知的な紳士、彼の自由な魂は記憶にはっきりと焼きついています。  
 ――アーサー・ストックウィン オックスフォード大学名誉教授
 

contents

紀光を紹介します 
紀光という男/1995年の紀光/再会
2007年、紀光の証言
テッポウで故郷へ/5歳が黄金時代/中学生のころ/自衛隊に入って/あほうだんす/港湾労働の良さ/天気が良くて/海の冒険譚/母の3回忌/アフォーダンスとオートポエーシス/寿のこと/コリン・ウィルソンについて/刑務所のこと、女のこと/イギリスの高校生へ/ホッファーについて/寝ると夢を見る/因果応報について
2013年の紀光