プロデューサーサーになろう、と思った。(1999)


去年の夏、私は沖縄にいてクレヨンで絵を描いたりしてたのだが、この絵は売れるだろうか。ふと、野中のことをおもいだしたりして、いい絵をかいたり してるのに売っていない人がいて、そういう人の絵を売ってあるいたほうが、もうかるのではないかと思った。そのうえ楽だろう。


沖縄では、わりと一人でものをつくることをしようとしていて(そのためには沖縄はすばらしいところだ)、でももしすばらしい絵がで きても、何かなあ面白くないような気がして、たぶん共同制作がしたいのだなと思った。ものを作ることに自信をなくしている今、人といっしょにできることは プロデュースだなとおもった。


まず最初はしっかり自分をプロデュースしている人のプロデュースをしたい。いっしょにプロデュースをする、いっしょにといってもそ れは、その人の邪魔みたくなるだろう。だって、本人がうまくプロデュースできてるところをわたしが下手にプロデュースすることになるだろうから。下手なプ ロデュースにとまどうかんじ。本人も。私も。


ヤモリがオレ最近自分の写真の事ばかり考えているのだけど、オレの写真展を誰かにプロデュースしてもらうとするやん、それでその展覧会にいってみたら写真が全部逆さに貼ってある。オレのせいじゃないとかいってみたい。


プロデューサーってまず知るというところからはじまる。知ってなきゃしゃべれない。伝えられない。だから最初割と知っている人、そして他の人に伝えたい人、そして私が影響を受けた人のプロデュースをしよう。東京でまず小川てつオのプロデューサーをしよう。


てつオに、気づいていないようなことを発見するのがプロデューサーだから、恭平がプロデューサーなんて全然あってなさそうだけど実はあってるかもしれない、そういうのを見つけられるわけだからプロデューサーに向いているといわれた。


母親に、恭平、あなたプロデューサー向いてるよ、いい考えだ。哲生の詩にあなたが絵をつける、私あなたの絵かってるのよ、おとうさんは書家がいいんじゃな いかしら、私あんな字のうまい人しらないもの、小説書くのあきらめさせたい、肩の荷おろして楽させたい、今あの人小さく小さく生きてるでしょ。そして40 年かいてた小説を哲生にバトンタッチ、哲生ならさっさと書いちゃうよ。


てつオに、恭平にプロデュースされてるというより、自分が恭平をプロデューサーとしてプロデュースする感じが(半分以上)するといわれた。それはそのとお り。そしてなかなかいいなあとも思う。いろいろな人をプロデュースすることによってプロデュースされる、プロデューサーに仕立てあげてもらっていく。


鳩よ!でひもについての特集があって、それを読んで、ひもとプロデューサーは似てるなと思った。でもそんなんでいいんか、それは作家にたかるプロデューサー、そんなんでいいのか。ひもでなくなるには、関係をはっきりさせるか、愛をもつかだ。

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プロデューサーとかいっても今までちゃんと今まで人を見てきたの。たぶんプロデューサーってそういうところから始まる。でも今までちゃんと人に興味をもっ てこなかった気がするなあ。それなら人間改造、人に興味をもつ人間になる。そのためにプロデューサーになるのもいいな、というかんじ。やはり、プロデュー サー、これ10年計画か。

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見ること、聞くこと、ピナバウッシュ、残
昔のユリイカ、ピナバウッシュ特集号、読んで感動した。誠実さなんだろうな。
ピナ ”私は見る人だ。徹底的に見るのが私の仕事なのだから” 石光曰、ピナの人物たちは執拗に反復してそれがあるものに変質するところまでいく、ところがそれが何に変質するかピナは知らないのです。
そうか屋久島か。植物!植物!植物!

山下残もピナと似ている。
割と無口で棒のような質問をする。そして見ている、真剣に、そしてなぜか作品が出来上がる。それがす ばらしい。詩の朗読とかファミリーとかはそんな作品だった、やっぱり誠実さなんだろうな。山下残ほど誠実にダンス作品をつくっている人を知らない。私とし ては見る、そのかんじ、そして不思議と作品が出来上がるかんじに興味がある。それは真剣なプロデュースというものにつながっているだろう。(考え中)

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浅田彰曰く、彼女(ピナ)はたいへんな”聞き手”なんですよね、それは聞き上手という事でもあるし、恐ろしい聞き手という事でもある。……ピナはどちらか というと無口で、こちらがしゃべり終った時に、フッとアゴを上げて、何も言わず、微笑むでもなく微笑む、これはもう恐怖の瞬間で(笑)

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気付くとその人のことをそのひとの言葉を使って説明してる。それは恐くないからね、でも目標はその人のことをカタル自分の言葉をもつこと(私はとても苦 手、むつかしい)。そしてこれはてつオのいうレッテル貼りの問題とつながってる。レッテル貼りに終わらないようにその人を説明すること。これは最近気付い たのだが、人を紹介するとは、自分にとってその人はどういう人なのか、つまりその人との関係を説明するということなんだな、これがわざとと思えるくらいに 出来ない。

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目標! 目をランランとさせて話をきく人。

話をきく、いろいろな話の聞き方。頭の先の方でき いてる、しっかりきいていないので、反応は早く、適当な受け答えの言葉が口をついて出る。
がんばってきくというときは、頭の奥できいていて、それは相手の 言葉を自分の頭の中にうまい位置をあたえていこうとすること。うまく分析しようというかんじだ。そんな感じで聞いている事がおおいんだけど、でもなん ていうんかな、話をきくとはもっと面白い事のような — 目をランランとさせて話をきくかんじ

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藤本なほ子は目をランランとさせて話をきく。それだけでなくて中空のへんなところから話をきいているかんじがする。それはたぶんすごいことなんだよな、 だって興味のなさそうなゲームの話とかを面白そうにきいていたりする、わけです。(この話は前に空き地論で考えていた事とつながっているみたいだ)

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ふと京都・寺町二条西入ルのげてもの屋、山なんとかのようなプロデューサー、選りすぐりの骨董屋でなくて、なんやごちゃごちゃおいてあって面白い店、の方が面白いな。

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いろいろ考えてみると、プロデューサーと占い師はちかい。

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仲介と介入と乱入
プロデューサーとか考えはじめてからもう、1年くらいになるなあ。たいしたことしてないぜって、でもね、お前プロデューサーなんだから、とかいわれたりするようになってきたなあ。

しかしあらためてこういうものをつくってると、あらためてどういうことがしたいのだろ、と思う。プロデューサーサー。
なんかね、プロデューサーってたら仲介というかんじだけど、仲介すると、介入するだったら、介入をしたいと思ってるかも、
最近そんなことをかんがえています。

19
乱入といえば上田馬之助

20
イリヤ・カバコフ

21
藤本なほ子

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