ちょうちょぼっこはちょうちょさん
最初の頃、本屋さんへ営業にいくと、みな「さん」付けで呼ぶのにとまどった。
「紀伊国屋さん」「ジュンクさん」と他の本屋さんや版元さんをさん付けで呼ぶのだ。
大阪・肥後橋のcaloさんに行くと、ちょうちょぼっこはちょうちょさんと呼ばれていた。そして、ちょうちょの子たちと呼んでいた。
つまり、ちょうちょぼっこはちょうちょの子たち4人でやっている大阪・堀江の貸本屋さんということになる。
ここで話はそれるけど、関西のアートシーンは女の人が動かしている気がします。とくに大阪は。
あれは2年前、ボブ(ミニコミについてのミニコミ、ちょうちょぼっこ編集)を片手に大阪の面白そうな書店をまわったら、ほとんど女の人がやっていた。
そこには共通の空気があって、(そのころの大阪の不景気な空気の中、お金になりそうな文化は東京に行く中、)
お金はもうからなそうだが好きなことを信じてする、情熱をもって、、、
ちょうちょさんには4回くらい行ったことがあります。
堀江の古くてかわいい感じのビルの階段を上って、4階、
ちょうちょさんに行くとどうしても長居になってしまう。
そこにある本がすばらしいからだ。
ガリー感はあるのだけど、そんなことを越えて文学好きにはたまらないセレクト。見識が高いというか、結局、日本の文壇じゃだれも金井美恵子にかなわない、みたいな感じ。超アングラからメジャーまで、良いにおい(文学臭)がだたよっています。でも、空気は澄んでいるのです。
最近、アナイス・ニンが気になり(「小鳥たち」というのがよかった、ポルノ小説で、訳は矢川澄子)、
やっぱりここにはいろいろあり、ほかの人が訳しているのもあった。
と思えば、坂本秀童子さんの、ガリ版の春本をガリ版で復刻したものを、知ってます?と勧められる。
さて、
そんなちょうちょさんにキョートットの本はベタぼめされています。
「このようなやり方で300年の人生を生きていく」
は、
今年読んだ本の中で、ベスト3でしたっけ、に入るとHPの日記に書いてもらいましたし、
「Dearキクチさん、」
も、
Lマガジンの本棚通信に、「ハミングしながら読みたい」なんて書いていただきました。
https://kyototto.com/books/dear-shohyo
(Lマガの記事、一部引用しました。
それは本の記事というより、私を取材したキョートット出版の記事だったのですが、
私を紹介してなんでこんないい文章になるんだ、ちょうちょぼっこの真治さんはマジシャンではないだろうか、のような素敵な記事でした。)
さて、
ちょうちょさんは、本屋さんでなくて貸本屋さんだ。近くにあったらな、と思う、
イスにちょいと腰掛け、机にちょいとビールをおいて(メニューにはビールもあり、)
本棚をいったりきたり、少し読みだして、カウンターにいってちょうちょの子たちに意見聞いたりして、今週読む本を借りてかえる。
堀江の人たちがうらやましい。
(少し、売ってる本もあります、前行ったとき、大好きな島尾ミホさんの「海辺の生と死」の初版本を手に入れました。)
“ちょうちょぼっこはちょうちょさん” に対して2件のコメントがあります。
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雑誌「ちくま」に「古本屋は女に向いた職業 女性古書店主列伝」という連載があるんですよ。
執筆しているのは岡崎武志さん。
この連載が本になったら、それを片手に日本中訪ねて回りたくなりますよ〜
今度、大きな本屋さんにいったら「ちくま」もらってきます。(古本屋は女に向いた職業ってどういうことなのかな?)
ああ、秋です、しらない古本屋さんめぐり、楽しそう。