いちむらみさこ『Dear キクチさん、ブルーテント村とチョコレート』
いちむらみさこが
都会の公園の、
ブルーテント村に住んだ!
そこでPOPでPUNKでFUNKYな女性、
キクチさんに出会う。
女性 と ホームレス
生活 と アート
ちらし
著者の紹介 書評 公園のいちむらさん English
あらすじ
いちむらみさこ、公園のブルーテント村に住む!
朝早く、四方からスズメやカラス達がぴーちく、カーカー騒ぐので、すっかり目が覚めてしまいました。もう少し朝寝坊しようとしていたのに。
テントのドーム型の壁面には、揺れる葉の影がくっきりと映っています。ジッパーを開け、ブルーシートをくぐって外へ出ると、パーっと青空が広がっていたの。思いっきり両手を上げてハァーっと伸びをしました。やっと梅雨が明けたわ。顔を洗いに行くと、水場は衣装ケースの中にたくさん服を入れてジャブジャブと洗濯をしている人、頭をシャンプーの泡でいっぱいにしている人で賑わっていました。
蛇口からほとばしる水がキラキラ光り出て、石鹸の香りが芝生や木々の緑に漂っています。(p. 15)
テント暮らし、それは暗くイメージされるけど、
人々と織りなす生活には豊かさがあった。
「女性のためのティーパーティー」、始める。
「瞬間の心に応じて太陽が動いているような」 公園の素敵な女性たち。
そこでPOPでPUNKでFUNKYな女性、キクチさんに出会う。
こんなに自由に遊べる人がいるんだとうれしくなる。
その頃の私は、電車で会うステキな人みたいに、あなたのことを見ていましたよ。
旅館にあるような浴衣や、頭のてっぺんに大きく穴をあけた帽子、レンズがイギリスの国旗になっているサングラスなどを楽しく使って、……何でも、斬新に着こなしていらっしゃいました。
髪はキャラメル色で、猫が頭に乗ったみたいでした。(p. 16)
それから2年半、今も公園に住むいちむらみさこが、
旅立っていったキクチさんへ手紙を綴る。
スキップするよな公園の日常、 大切なキクチさんの思い出、
それは、2人の友情の物語になっていく……
あなたは立ち上がり、ソファーで聞いていた私の隣に座りました。
「ミサコさんは、どんな哲学をもっているの?」
あまり尋ねられたことのない質問でした。(p. 116)
いちむらみさこのやわらかい絵と弾むような言葉が、読者を壁の向こうの世界へと連れていく。
ホームレスという言葉のもつ偏見をすり抜けて。
そしてそこは、そこにしかなく、どこにでもあるはずの、ちょっといいところだ。
かっこいい女のひとの近所で暮らしたい!
公園のテント村に住み、絵を描いたりティーパーティーを開いたり。
いちむらさんのやり方を、メルヘンだと言うことは簡単かもしれません。
でも、空想力や想像力というのは、増殖し続ける暴力と無関心と無力感に対抗する最大の力だと思います。
ドキドキしながら立ち向かったり敏しょうにかわしたり注意深く寄り添ったり、現実を生き抜くためのメルヘンが満載。
ブブ・ド・ラ・マドレーヌ(美術作家)
A5版 144頁 2色刷
本体1200円+税
絵・文 いちむらみさこ
ISBN 4-9902637-1-5
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「かんそうっ」 うっきーよしたけ
この間、とあるギャラリー にて、キョーヘー君に久しぶりでお会いしまして、本買いまして、読みました。
じんわりと、うれしいような切ないような涙もでましたね。。。
一般論ではなく、私の思うところの母性を感じました。
いちむらさんは色んな存在の母でいれるひとだなー、と。
それは単に包みこむようなものなだけではなくて、
相手を知りたい、ひいては自分を知りたいというような、作らない母性、のような気がしました。
そういう人がもっと増えたら楽しいだろうな~
あ、絵もめちゃかっちょいいです。
キクチさん、いちむらさん、キョーヘーくん、ありがとう。
「感想」
電車の中で全て読みました。
代々木公園のテント村の歴史がキクチさんの目を通して
書かれていますが、キクチさんが村を去った時と同じくして
此本の終りがあり
淋しくもあり、侘しい気持もあり、村の歴史が淋しさと
人の温かさで出来ていると
実感しました。
大概都会の人は必要以上に人に対して無関心なのがありますが
此村では、一人一人の相談に乗る位の気持の暖かさが浮彫になっています。そのミサコさんが感じた角度で生まれたばかりの歴史が書かれて居ると思い、それ以上でもそれ以下でも無い。
と思いました。
「Dear キクチさん、」 いちむらみさこ
28日、代々木公園、ブルーテント村の丘で、出版パーティーを開きました。たーくさんの方々が来ていただき、嬉しかったです。
キクチさんのことだから、突然現れるのではと、少し期待していました。エスパーゆうに乗って走ってくるキクチさんを、何度も思っていました。
キクチさん、本が出来たよー。
表紙は、タバコの煙とミニスカートのキクチさん。
帯はブブ・ド・ラ・マドレーヌさんのコメント。「・・・かっこいい女の近所で暮らしたい。」手にとって、読んで下さい。そう、本の手触りもイイ感じなのです。