ナツ、もんでん奈津代さんのこと

ナツさんによる、ツバルの写真展(3/7-12,21-26)+上映会(3/11,16)があります!
詳しくは、ナツさんのHPから
http://monden.daa.jp/01tuvalu/022notice.html

さて、新刊のツバル語会話入門やもんでん奈津代さんのことを書いてみたいと思います。

ツバル語会話入門

まだナツさんに会って2度目くらい、ナツさんの食事会(おいしい!)に呼ばれたとき、はじめて手製のツバル語テキストを見たのです。
すごいなと思いました。(ホントに語学のテキスト、絵もたくさんあって、覚えるのが楽しそう。それが糸で縫って製本してある。)

その後、ナツさんから相談をうけました。
私はまた一年ツバルに行く、その間、ツバル語を学びたい人になんとかテキストを渡せるようにしたい。
私は、それならうちで出版しませんか、といいました。
私に「それなら」といわせる力のある、テキストであったし、ナツさんの思いだったのです。
(本を作るのはとてもとても大変で、それでまず儲からないので、本当に作りたいと思うものしか作れません。)

私はこの本にかかわるまで、ツバルのことは何も知りませんでした。しかし、ちょっとした編集や校正やらレイアウトやらで例文を読んでいるうちに、だんだんツバルの空気が伝わってきました。
ナツさんはツバルには匂いがいっぱいあるといいます。土の匂い、ブタの匂い……(日本の街に戻ると、匂いというものがないので、それがとてもさみしくなる)

そして人々の暮らし(椰子の実をいう単語がたくさんある、どの程度熟れているかとか、木についている状態と取って状態で違う)、その歓待の文化(食べていきなよ、が挨拶だったり)、暮らしを楽しむ「ノリ」のようなもの……

一度、本に使う写真の話から、異文化に触れるということについてのナツさんの考えを聞く機会がありました。ここではうまく書けなさそうですが、それは納得するものでした。
私は、古い人類学などでの、採取して記録するというかんじの無機質なかんじには違和感がありました。でも、ナツさんの写真にはその嫌みはありません。きいてみると、
写っているのはほとんどが友達だ(ステイ先の家族の「親戚」)、ということでした。みないい表情をしているのです。そして、それはたぶん異文化に接するときのナツさんの姿勢も関係している。
驚く、そして面白い。
(その土地の自分にとって新しい文化、風習を知ったとき、驚く、そこでいい悪いは考えない、それは自分の世界が広がること、面白い。)
(そのとき自分の持ってきた文化に固執しない、しかし否定もしない、みたいな話もしました。)

ナツさんのツバルでのノートをみると、面白がるナツさんをもっともっと面白がせようといろいろ教えているツバルの人々の姿が想像できます。
そんな計1年3ヶ月の月日から生まれた会話ノート。それを体系的にまとめてつくったツバル語テキスト(ナツさんは言語学も学んでいます)、それに写真などを入れて再構成したのが、今度の新刊、「ツバル語会話入門」です。

当初の目標が必要な人の手に渡ればということでしたので、少部数しか刷っておりません。注文はお早めに。


最後にもう一つ、
ツバルについての報道のこと。(地球温暖化で海に沈む島というものばかり)
このことについてもナツさんからいろいろお話しを伺いました。詳しくは、ナツさんのHPをみてもらうのがいいと思います。
http://monden.daa.jp/tuvalu.html より、
2008年版序章ー海に沈むより先にー

(ツバルの首都(フナフチ)で毎年起こる浸水は、温暖化が一番の原因ではないだろうということです。
でも、北の豊かな消費生活を営んでいる国々が排出する二酸化炭素のせいで、自給自足の生活を営んでいる南の島が海へと沈んでいく、というイメージは強烈なものがあります。
それは間違っていないでしょう。でも、もっと深刻な問題かもしれません。
ツバルも急速に消費社会への向かっているとのこと。ツバルの人達もモノや便利さにとらわれていっているわけで、それは私たちと全く同じように。
実際ツバルの離島の生活を求めているナツさん自身も、6ヶ月もいると、首都で衛星放送に写ったアメリカのものがいっぱいな生活の様子などみると、「いいなあ」と思ってしまったりするといいます。)