『ホームレス文化』刊行記念 押尾健太郎写真展 @ポポタム
東京の公園に暮らす小川てつオといちむらみさこが2003年よりテント前で始めたカフェ、エノアール。近隣の野宿者や、様々な人の憩いと交流の場になっています。
今回、『ホームレス文化』刊行を記念し、2005年頃、押尾健太郎がエノアールで出会った人々を撮った写真を展示します。
写真家として、雑誌・広告・ウェブなど様々なメディアで活躍する押尾健太郎。タレントらの魅力を引き出す写真で注目されている。
押尾の写真の原点は、留学先のロンドンでホームレス状態にあった男との交流だった。帰国後、エノアールを知り、通ううちに公園に住む人々と親しくなる。関係性の中で生まれる、個性が輝くような写真たち。
押尾は言う。「エノアールに流れている時間が良かった。その空気感を撮ったんだと思う」。
2005年、エノアールの木々にそれらの写真をかけ、展覧会「エノアールの四季の詩」を開く。押尾の初個展だった。
今回は、20年の公園暮らしを綴った小川てつオ『ホームレス文化』刊行に合わせ、20年ぶりにプリントを取り出し、エノアールの空気を存分に表現する。
トークイベント
3日(金)19時~ 押尾健太郎✕小川てつオ(聞き手 藤本なほ子)
4日(土)17時~ 飯田基晴(映画監督『あしがらさん』など)を迎えて、押尾・小川と座談会
両日とも参加費500円、予約不要。
登壇者
小川 てつオ
1970年、東京生まれ。高校卒業後、絵画、詩、音楽、パフォーマンスを制作。1996年より「居候ライフ」、ゆるやかな共同性の実践を重ねた。2003年から都内公園でテント生活を始め、現在に至る。
テント前で物々交換カフェ「エノアール」をいちむらみさこさんと運営。246表現者会議、ねる会議などに参加し、野宿者排除に抵抗する活動を行っている。著書に『このようなやり方で300年の人生を生きていく[新版]あたいの沖縄旅日記』(キョートット出版)など。
押尾 健太郎
千葉県出身。2000年、スタジオアシスタントを経てロンドンへ留学し、2003年に帰国。広告、雑誌、WEBを中心に、人物撮影を主体としたフリーのフォトグラファーとして活動中。
近年は一般人の「家族写真」の撮影も行い、人と人のつながりや温かな時間を丁寧に切り取る。俳優・モデル、映画関係者、一般人まで、さまざまな「人」の表情を豊かに表現している。
https://oshiokentaro.com/
飯田 基晴(14日(土)トークゲスト)
1996年よりホームレスの人たちにボランティアとして関わり、98年からはビデオカメラで記録を行う。2002年に初の長編ドキュメンタリー映画『あしがらさん』を発表。一人のホームレス男性が地域での暮らしを取り戻すまでの3年間を描く。
その後の監督作に『犬と猫と人間と』、『逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者』、『わたしを演じる私たち』等がある。
現在は和光大学にて映像関係の授業やゼミを受け持つ。
映像グループ ローポジション所属 https://www.lowposi.com/
ヨコハマDOCS https://www.yokohamadocs.com/
藤本 なほ子(13日(金)聞き手)
編集者。シリーズ「あいだで考える」(創元社)などを手がける。女性ホームレスの遺したノートをまとめた『小山さんノート』(小山さんノートワークショップ編、エトセトラブックス)の編者のひとり。編集の仕事のほか、言葉に関する作品制作も行っている。
そのほか
・2日(木)夕方からオープニングパーティー
・会場で小川てつオ新刊『ホームレス文化』購入の方には特別付録が付きます。
・小川てつオさんが在廊中は、サイン会(似顔詩/似顔絵)もいたします。
・押尾健太郎写真集『PLOUGH YARD 517』の販売もします。
本
小川てつオ『ホームレス文化』
(新刊、2,640円(税込))
公園に暮らし20年、隣人たちと織りなす生活を綴る
——ホームレスの存在こそが、もう一つの世界の始まるべき地点なのだ。
未来はこちらにこそ、ある。
押尾健太郎『PLOUGH YARD 517』
(2022年、自費出版、3,850円(税込))
若き日の押尾が、異国の地で出会った漂うように生きるメルヴィンという人物の姿を、ロードムービーのように写しだす。
小牟田亮さんによる紹介
企画 キョートット出版
会場 ブックギャラリー ポポタム
南阿佐ケ谷駅徒歩3分/阿佐ケ谷駅徒歩10分
電話 03-6685-9011
166-0015 東京都杉並区成田東5-35-7 白い家A