紀伊国屋とジュンク堂

ココルームぽえ犬通信に「紀伊国屋に負けて、ジュンク堂に救われる、三宮、梅田、京都、三都物語」と書きましたので、その模様を(少々感情を込めて)。

紀伊国屋
初めての大きな書店への営業は、神戸・三宮の紀伊国屋書店にいきました。
駅前のデパートの上にある紀伊国屋、エスカレーターをのぼっていくと以外とお客さんはいない、のっぺりした店内。
奥の方のレジにいくと中に何人か店員さんが立っている。若い男の人に名刺をわたすと、店長と、後ろを向き、(だいたいスーツを着たおっさんがでてくる、)
「店長、キョートット出版の方が、、、」
「キョートット出版?」
名刺とチラシを手に取りながら、私の姿を下から上まで見て、
「あー、うちでは無理ですね」とあっさり言う。

注: 少し前のことですので、私としてはこのような印象をうけたという感じで、書いています。

ここで、紀伊国屋書店の悪口を。(出版社が書店(それも最大手の)の悪口を書くというのは、自分で自分の首をしめているのかもしれない。若気(デビュー3ヶ月)のいたりということで。)

一言で言うと、コンビニみたい。
どこも同じに見える。売れてる本は確実に置いているけど。店員さんが本好きという感じがいまいちしない。便利だか面白くないような。(逆にいったら、本屋のスタンダードを作った、ということなんだろう。)
一言で言うと、人ではなく売上データが店を作っているということなんだと思う。

梅田本店: 置いてもらった本に帯を付けようといくと、こちらで付けます、といわれたが、後日いってみてもついてないし、本もわかりにくく一冊置かれている。
新宿本店: 東京営業部長(母)が行ってくれたのだが、本は来てないといわれ(実は倉庫に積んでいた)、また10冊も注文してくれたのだが、後日行っても、わかりにくく置かれている(20冊もあるはずなのに)。
どちらも忙しい店なのはわかるけど、あまりに扱いが雑で。

紀伊国屋にいくと、最初からあんたのとこのはいらない、という感じで、行く気が失せるのですが、それは、うちの本が売れないということがよくわかっていらしゃるということでもある。他の本屋さんでは、売れそうにもないがせっかく来てくれたから、少し置いてみようか、というかんじになることもある(それはお互いにとってよくない場合もあると思う)。はっきりしている分、勉強にもなるので、紀伊国屋営業はつづけようと思います。

ジュンク堂
さて、紀伊国屋三宮店営業のあと、落ち込みつつ、ジュンク堂三宮店に向かう。センター街にある大きな店。一階は雑誌売場、エスカレーターで二階に。
カウンターは忙しそう。
手のあいた人に、名刺とチラシを渡し「キョートット……」といって目をあげると、胸に「研修中」とのバッチが。
すると、隣のベテランぽいひとが、「はい、」とチラシをうけとり、サーと見て、
「10冊お願いしましょうか?」と、私と研修中の子、二人に向けていう。
「あ、はい、」と私。
「ここに、番線を押して……、」と新人に出版社対応の仕方を教えながら、番線印を押して、10冊注文して下さる。
あっさりしているのに(忙しい時間帯だったから?)びっくりしたけど、注文がとれて興奮しました。

ジュンク堂では1~10冊と幅があるものの、営業に行った店、どの店でも置いてもらえた。
どんな本でもある、というコンセプトなのだろうか? 来るもの拒まずなのだろうか? (つづく)

(営業を通して、紀伊国屋に比べて、関西系の大型書店(ジュンク堂、ブックファースト、旭屋)は魅力的な店づくりをしているな、と感じています。)

紀伊国屋とジュンク堂” に対して1件のコメントがあります。

  1. 小川恭平 より:

    この文章は本当に若気のいたり、最初の数回本屋さんを訪ねただけの印象で書いています。

    紀伊国屋書店さんももちろんデータだけではない、血の通った面白い取り組みをされています。
    実際今は、紀伊国屋書店新宿本店では、
    「それでも生きていくということ」
    というテーマのフェアでキョートットの本を扱っていただいています。

    http://bookweb.kinokuniya.co.jp/bookfair/prpjk266.html

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