小川てつオ『このようなやり方で300年の人生を生きていく [新版]:あたいの沖縄旅日記』
19歳、似顔絵の看板背負って沖縄へ
おばさん、おじさん、おじい、おばあ、に怒られ、ほめられ、愛される。
人生出発点の輝き。10年後また、旅をする。
この社会に息苦しさ感じている人々を「このようなやり方」で元気にした、小川てつオの伝説の一冊です。その卓越した観察眼によって、沖縄の人々の姿が立ち現れるのも魅力です。
初版は17年前、キョートットが世に送り出した最初の一冊でした。
新版は、著者が「10年後の旅」を再構成し、グッとボリュームを増したことにより、人生の深まりがより重層的に映し出される作品へと生まれ変わりました。また、新たに多くのスケッチが装丁家・納谷衣美さんの手によりリズミカルに入り、ロードムービーのように読者を旅立ちに誘います。加えて、読者が思索をすすめるヒントとなるよう、差別や沖縄戦について語る編注も加えました。
コンテンツ
あたいのルンルン沖縄一人旅
本島篇 1989年12月23日~1990年1月20日
宮古篇 1990年1月21日~2月5日
八重山篇 1990年2月6日~3月17日
10年後の沖縄
2001年2月~4月
てつオ君、15年が経ちましたね
初版のあとがき
編集から
新版によせて
「全くもって、はばたきたかった」
今、都内の公園のテントの中で、これを書いている。遠くから車の流れる音が聞こえてくる。もうテント村は寝静まっている。
一九歳の時のぼくは、全くもって、はばたきたかった。それも当然のこととして。なぜなら、「学校」というところで息を詰めるような数年間を送っていたから。この沖縄旅行を通じてぼくは、社会の肌合いの多様さを感じていた。人の顔が見えてきたのだ。ああ、全く似顔絵とは、人の顔を見るということだ。ぼくが無意識に選んだ似顔絵とは、社会へのぼくなりの踏み出し方だった。社会とは、人が作っているのだから、隙間やデコボコが常にあるし、一つの社会ではなく無数の社会がある。(初版のあとがき より)
著者について
小川 てつオ(おがわ てつお)
1970年生まれ。
高校卒業後、絵画、詩、音楽、パフォーマンスなどを行う。1996年より「居候ライフ」として、約50カ所の「家」を巡回する。2003年から都内公園にてテント生活をはじめ、物々交換カフェ・エノアールをいちむらみさこさんと運営。また、「ねる会議」や「反五輪の会」に参加し、野宿者排除に抵抗する活動をしている。
初版の感想
この本、キュンキュンポイントがたくさんあるんです。10代の時に読めていたら、すっごい励まされていただろうな。
かとうちあき(野宿野郎編集長(仮))
老後のことばかり考えてたけど せやん! 300年いきたらええやんって、思ったら元気でた!
杏さだこ(ヘルパー)
小川さんの文章はいい、ということは知っていたけど 19歳のときからいいとは知らなかった。
読み終わって、自分のやり方で人生を生きるためには知恵と信念と愛嬌が大事だなあ、とも思った。家庭でも学校でも教えてくれないから、いろんな人がこの本を読むといい。
大林えり子(ポポタム)
本をパラパラとめくってみました(音声あり)
四六版並製 240頁 本体2000円+税 付録付き 装丁 納谷衣美
2023年5月22日発行 ISBN978-4-9902637-7-5 C0095
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*刊行の経緯
kyototto.com/archives/2449
*付録の「小川てつオ×かとうちあき対談」について
https://kyototto.com/archives/2534
*刊行記念原画展 @キョートットの様子もぜひご覧ください!
【レポート1】展示紹介
【レポート2】お話会・300年を語る!(著者×藤本なほ子さん)
【レポート3】小川てつオ、伝説の似顔絵屋がよみがえる!